ケルバーダイン(klber Dyne / 凯尔巴·戴恩)

この項目は、ミキシングワールドの疑似人体・戦闘用強化素体について説明しています。その他の用法については ケルバーダイン(曖昧さ回避) を参照。

ケルバーダインは、旧世紀(旧世界)の日用品を情報伝達接着剤ゼノダインで人型につなぎ合わせ、**KG(ケルバージェネレーション)**が意識を移して動かす疑似人体・戦闘用強化素体である。
AD2316命名。再生構築世界ミキシングワールドで運用されている最も一般的な機械であり、兵器である。

プロフィール

項目内容
種別疑似人体・戦闘用強化素体
命名AD2316
主要素材旧世紀の日用品(ゼノダインで接合)
操縦者ケルバー(KG)
全高4〜5メートル(ケルバー基準)
運用勢力リザレクト、エグゼクト

定義

ケルバー(1/35に縮小された人類)が、旧世紀の日用品を組み合わせた人型兵器を操縦する装置の総称。

ゼノダインで日用品を人型につなぎ合わせると、KGであればその中に移入して人体同様に自由な動きが可能であることが判明。この疑似人体はケルバーダインと命名(AD2316)。
── ミキシングワールドの歴史

構造と素材

ケルバーダインは箱庭計画以前の人類が使用した日用品により構成されている。

旧人類の弱体化と運動補助ナノマシン

かつての人類は終末期、文明の利器の発達と引き換えに肉体が大幅に弱体化しており、自分の力でペットボトルのフタを開けることすらできなくなっていた
そのため、全ての日用品にナノマシンが組み込まれ、運動補助機能が備わっていた:

  • フタ → 回転
  • クリップ → 挟む圧力
  • 等々、各日用品に固有の運動補助

→ これらの日用品を情報伝達可能な特殊接着剤 ゼノダイン でつなぎ合わせ、大型の戦闘用強化素体として組み立てられたのが「ケルバーダイン」である。

量産性と採掘資材の流通拡大

旧世界の日用品は世界に溢れており、ゼノダインさえあれば容易に量産が可能。
特に「ハンドレッド」と呼ばれる大型の資源発掘遺跡(ダー・イソウ/セー・リーア/ワズー/ギャンドゥー など)が数多く発見されたことで、誕生初期に比べケルバーダインは小型化・高性能化が進んでいる。

サイズ

  • 全高はケルバー基準で4〜5メートル(ケルバーの3倍程度)の人型兵器。
  • 構成素材である旧世紀の日用品は、旧人類が使用していた原寸のまま組み込まれている。

構成要素

「ゼノアイ」「エジェクター」「ミキシンクロレート」「RIC」など、この要素が組み合わさることでケルバーダインの形状や彩色、武装、設定が変わります
── 二次創作の基本的なルール(公式サイト)

代表的な要素として:

要素役割
ゼノアイセンサー。ケルバーが触れることで同化(ケルバー・イン)が始まる
エジェクター背部の搭乗者排出装置。ケルバー・アウト時に使用
ミキシンクロレート構成親和率。形状・性能・同化リスクを決める数値
RICリアルイマジネイティブコーティング。塗装による性能向上

加えて、構造体の接着には ゼノダイン(情報伝達接着剤、AD2315開発)を用いる。

搭乗と離脱

  • ケルバー・イン — 極小のナノマシンの集合体であるケルバー素体が一時的に分子レベルまで分解され、ケルバーダイン正面の情報収集用高感度センサーから内部に浸透する。ケルバーダインを自らの体として認識し、人体さながらの非常に自由度の高い活動が可能となる。
  • ケルバー・アウト — 背部の エジェクター から排出され、ケルバーは一瞬で再生構築され人の姿へ戻る。

この搭乗プロセスはより簡略化され、一般には単に「イン」「アウト」としか呼ばれないことが多い。

構成親和率(ミキシンクロレート)

ほとんどのケルバーダインは、ずんぐりとした体型のディフォルメされた人型をしている。これは「構成親和率(ミキシンクロレート)」から逆算された最適解による姿である。

簡単に製造可能で性能も高いケルバーダインには、大きな欠点があった。長時間インしたままだとボディに素体の意識が完全に同化してしまい、ケルバーに戻ることができなくなり、人格を失って暴走を始めるのである。

  • 人型に近いほど性能は高まるが、融合も早まる
  • 人型からかけ離れると、騎乗者が己の体と認識できず上手く動かせない

このバランスを計測する値がミキシンクロレートであり、概ね搭乗開始時に70%前後であると最も安定した運用が可能とされる。多くのケルバーダインの体型はここから導き出されたものである。

ミキシンクロレートは長時間の搭乗や、戦闘行為で闘争本能が刺激されると上昇していく。

状態
70% 前後搭乗開始時の初期値(最安定)
90% 超極めて高い性能を発揮
100%全身が発光しながら融合開始
150% 超完全同化 = ケルバーへの分離が不可能となる

安全装置リザレクトで製造されたケルバーダインには、ミキシンクロレートが上がりすぎないようリミッターや搭乗者の強制エジェクト機能などの安全装置が組み込まれているものが多い。一方、限界まで戦うことを厭わない エグゼクト では、リミッターやエジェクト機能は全般的に軽視されており、そもそも装備しない機体すら存在する。

RIC(リアルイマジネイティブコーティング)

ケルバーダインには様々な彩色が施されている。旧世界の通常兵器に施されていた迷彩塗装、輝く金属的な塗装、華美な装飾など、ほとんど統一されておらず、同一部隊で運用される機体でも色はまちまちなことが多い。

これはケルバー素体の持つ本能的な習性によるものである。ケルバーの開発者であった H・テペーニン博士 は、20世紀後半から21世紀中盤にかけて流行したプラスチック製の組み立て模型「プラモデル」の熱烈な愛好者であり、ケルバーの構成要素の中に自分の趣味を好むという要素を秘密裏に与えていた

そのため、かつてプラモデルで高く評価されていた「迷彩」「キャンディ」「ウェザリング」「グラデーション」などの塗装で美しく塗り上げられたケルバーダインにインすると、ケルバーの意識が高揚し、ミキシンクロレートに頼らない性能向上が見込める。この塗装効果を「RIC(リアルイマジネイティブコーティング)」と呼ぶ。

まるで鋼鉄製の旧世界兵器のようにサビや下地がむき出しに見える機体も多いが、これも全てRIC効果を得るために塗装で表現されているものである。

RICが施されていない素体状態のケルバーダインは「パチ組み」「素組み」などと呼ばれ、性能を満足に発揮できないばかりか、騎乗者の構成情報に著しい悪影響を及ぼすことが知られている。

腕部の構造

ケルバーダインの腕部の設計は戦闘用か作業用かで大きく異なる。

戦闘用:腕自体が武器化

戦闘用ケルバーダインは、腕自体が武器になっていることが多い。理由は2つ:

  1. 威力の純粋な向上:インした騎乗者はケルバーダインを自身の肉体として認識するため、武器が体とそのまま繋がっていると武器自体を自分の一部として扱えるので、威力が大幅に向上する
  2. ミキシンクロレートをいたずらに上げないため指を加えると人体に大幅に近づいたと認識されるため、ミキシンクロレートが上がりやすい

→ そのため戦闘用機体では:

  • 指を3〜4本に減らす
  • 繊細な作業を必要とするマニピュレーターは片側のみ

作業用:両腕にマニピュレーター

長時間のインを必要としない、搭乗者のこまめな休憩が見込める作業用ケルバーダインは、両腕にマニピュレーターを備えていることがほとんど。

→ ミキシンクロレート上昇のリスクと作業効率のトレードオフ。

モデルチェンジ

ケルバーダインは長い年月の中で、モデルチェンジを繰り返しながらその姿形を変えていきながら運用されている。

「同じ機体」とみなす基準

特定のモデルであるための厳密なパーツ規定などは無く、おおむね、その機体の構造とその活動目的を受け継いでいるとみなされれば同じ名前の機体と見なされる

例:

モデルチェンジによる先鋭化

ケルバーダインはモデルチェンジを繰り返すたび、よりその機体の特徴を先鋭化させてデザインが変化していくことが多い。
例:ドルトガはバテスの遠距離砲撃型として開発されたが、時代が下るにつれて胴体にKACキャノンを搭載し、より移動砲台としての性能に特化したスタイルとなっている。

名前そのものの RIC 効果

再生構築士の研究によると、ケルバーダインの持つ「名前」のイメージや歴史自体が、ある種の「リアルイマジネイティブコーティング」と同じ効果を持っており、性能にも影響を与えるという。

→ 同じパーツ構成でも、由緒ある機体名(バテス、ドルトガ等)を継承すると、その名前のイメージと歴史が騎乗者の意識に作用して性能が変動する。命名・系譜そのものがRIC機構の一部として機能している。

歴史

  • AD2305 — ターンオーバーデイ後、KGが旧世界の日用品を動かせると判明
  • AD2310 — 日用品同士の接続でより強力な動きが可能と発見
  • AD2315 — ゼノダイン開発
  • AD2316 — ケルバーダイン誕生・命名
  • AD2318 — 暴走多発、ミキシンクロレート研究開始
  • AD2375 — 採掘資材の流通拡大、小型・高性能化が進む

詳細は 年表 を参照。

完全戦争における位置づけ

完全戦争(PERFECT WAR)の主役兵器。リザレクトエグゼクトが互いの存続を賭けて投入する戦闘用強化素体であり、世界の命運を左右する存在である。

ギャラリー


旧世紀の日用品で構成されたケルバーダイン。フタ・クリップなど素材の姿がそのまま残る


ケルバーダイン正面の情報収集用高感度センサー。ケルバー・インはここから内部へ浸透する


エジェクターの排出口。ケルバー・アウト時はここからケルバーが排出される


戦闘用ケルバーダインの腕部。武器が腕とそのまま一体化している


作業用ケルバーダイン。両腕にマニピュレーターを備える

記録

制作背景

「ケルバーダイン(klber Dyne)」の名称は、ドイツ語で「接着剤」を意味する Klber と、接着剤メーカー「セメダイン」から取った Dyne の合成による造語である。制作に様々な種類の接着剤を大量に使うことに由来し、2012年、初代機バテスの完成記事でその由来が公表された。

この名称はシリーズ「再生構築機界ケルバーダイン」の題名でもある。シリーズ全体については ケルバーダイン(シリーズ) を参照。

ケルバーダインの実制作は「夏休みの自由工作」を原点としており、身の回りの日用品から自分だけの機体を作る二次創作が公式に開放されている。1/35スケールの世界に原寸の日用品を組み込む二重スケール構造がシリーズの中核コンセプトであり、完成品から素材となった日用品の痕跡が読み取れることが重視されている。

関連項目

外部リンク