ケルバー(klber / 凯尔伯)
ケルバーは、ミキシングワールドの住人である、1/35に縮小された人類である。
旧人類の人口爆発と弱体化を解決するためにH・テペーニン博士が発明した人体素体で、23世紀を迎える頃には300億人全ての人類がこの体へと移入した。
大きさは55〜40mmほど。目に装着した情報保護ゴーグルが最大の外見的特徴である。

ケルバーダインの足元に立つケルバー
プロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 種別 | 1/35スケールの人体素体(ナノマシンの集合体) |
| 大きさ | 55〜40mm程度 |
| 必要エネルギー | 通常人の1000分の1以下 |
| 開発者 | H・テペーニン博士 |
| 外見的特徴 | 情報保護ゴーグル |
| 寿命 | 物理的破損を除き死なない設計(ただし意識には限界がある) |
| 世代区分 | PG(肉体を持つ世代)/KG(生まれながらのケルバー) |
成立
ケルバーは、人口爆発と人類の弱体化を解決するために作られた1/35スケールの人体素体である。小さなミニチュアサイズの体は生存に必要なエネルギーが通常人の1000分の1以下であり、また素体に移入した人間は通常の肉体よりも遥かに運動能力が高かったため、居住地と虚弱化の問題を一挙に解決する方法として、人類はその全てがケルバーに移入し、箱庭のような都市で生活することになった。
移入は、人体の脳神経ネットワークをスキャンし、人格情報を抽出してケルバーへとインストールすることで行われる。いつしか自分から希望して縮小都市の住民となる者が増えてゆき、23世紀を迎える頃には300億人全ての人類がケルバーに体を移していた。
大きさ ── 1/35という縮尺

ケルバーダインとの対比
ケルバーは人類を1/35に縮小したサイズであり、ある程度のばらつきはあるものの、ほとんどは55〜40mmほどの大きさである。
この1/35というサイズが決められた当初は、人々を納得させるため様々な説明がなされた──人体の意識が集中できる最適のサイズである、初期のケルバーに使われた人工神経が1/35サイズまでしか育たなかった、増えすぎた人類全員を充分な広さの住居に住まわせるにはその大きさが最適である、など。だが現在では、開発者H・テペーニン博士が愛好していた旧世紀のプラスチック製組み立て模型においてメジャーであった人形のスケールであること──つまり、個人的な趣味で決定されていたことが明らかになっている。
構造と食事
ケルバーは外見的には人の形をしているが、実は極小のナノマシンの集合体である。一つ一つのナノマシンが人間の細胞と同じ働きをするため、ミニチュアサイズでありながらスムーズに人体同様の動きが可能となっている。
このナノマシンは常に劣化・分解しているため、外部から補填用の素材を補給しなければならない。これは人間同様、食事という形で摂取される。ナノマシンは炭素化合物により構成されているため、炭水化物やタンパク質を体内で変換・合成して補充している。
情報保護ゴーグル

情報保護ゴーグルを装着したケルバー
ケルバーは人体の縮小素体であるため、外見的にはほとんど人間と変わらない。ただ、目にゴーグルを装着しているのが最大の特徴である。このゴーグルは、外部の視覚情報からケルバーを保護するためのものである。人間は外部情報のインプットを視覚に90%頼っており、本質的に情報生命体に近いケルバーが直接外界を視認すると、情報のインプット量が多すぎてオーバーフローを起こし、行動不能になってしまうのだ。
容姿とスキン

女性型ケルバーの後姿
ケルバーの容姿はさまざまである。内部の精神年齢や自己認識にも影響されるものの、現在では外見を自由に変更できるスキンプログラムが数多く出回っているため、見た目から年齢や性別がわからないケルバーも多い。
ただし、あまりにも外見を頻繁に変更すると情報伝達系のロスが多く体に大きな負担をかけるため、基本的には自分のお気に入りの容姿か、本来の人格性質に近い容姿を長く採用しているケルバーがほとんどである。また、発生から15年以内の幼体は人格性質が安定しておらず、スキンプログラムを組み込むと成長に大きな悪影響を受けるため、使用は好まれていない。
寿命
ケルバーには本来、寿命は無かった。人類が生身の肉体に戻るためには少なくとも50年、100年単位の長い時間が必要であると予想されたため、事故などで物理的に破損した場合を除いて、死ぬことは無いように設計されたのである。
だが、ケルバー移入後80年を経過した頃から、肉体の寿命は無限であっても内部の人間の意識には限界があり、老衰するように停止したり、自死するケルバーが現れた。ケルバー移入時から何百年も生き続けている肉体世代のケルバーもまだ数多く存在するが、その寿命は決して無限では無い。
繁殖とKGの誕生
ケルバーはあくまで人類の仮の体であったので、娯楽のために性行為を行う機能はついていたものの、妊娠や出産などは考えられていなかった。だが、ケルバー移入時に子供であった世代が成長するにつれ、自らの子を持ちたいという強い望みから、ケルバー素体による繁殖プログラムが密かに制作され、それをインストールされたケルバーは妊娠・出産が可能となった。
人間同様の性行為が行われると、互いの情報が混ざり合い、新たな人格情報の核が生まれる。この核は母体を構成しているナノマシンを使い、少しずつ肉体を作り上げながら約10ヶ月をかけて成長していき、出産により外界へと誕生する。
生まれてきた子供は生身の肉体を持たない、ケルバー世代「KG(ケルバージェネレーション)」と呼ばれ、両親の性質を受け継ぎつつも、肉体を持たないことからより情報生命体に近い存在として、親世代では不可能な行動──ケルバーダインへの騎乗など──が可能となっている。
なお、ケルバーには性格により男性型・女性型など傾向的な違いはあるものの、人間のように厳密な雌雄の性別は存在せず、交接器は雄型・雌型の両方を備えている個体も多い。妊娠は女性型に限定されるわけではなく完全にランダムであり、交接者双方が妊娠してしまうことも多い。これはKG人口が急速に拡大する原因ともなった。また、あまりにも気持ちが高揚し、互いへの愛着が強い場合、口唇器の接触による情報交換だけでも、まれに妊娠することが確認されている。
世代区分
| 区分 | 定義 | 特徴 |
|---|---|---|
| PG(フィジカルジェネレーション) | 肉体を持つ、あるいは肉体が保管されている世代 | 生身の肉体の経験を持つ |
| KG(ケルバージェネレーション) | 生まれながらのケルバー | 肉体を持たず、情報生命体に近い。ケルバーダインへの騎乗が可能 |
記録
- 公式記事:ミキシングワールドの住人、1/35の縮小された人類「ケルバー」とは?(klberlife、本項の主典拠)
- 公式記事:ケルバーダインの世界「再生構築機界(ミキシングワールド)」成立の歴史(テペーニン博士による発明、300億人の移入)
- 公式記事:ケルバーダインとは?(klberdyneqanda、ケルバーダインとの関係)
制作背景
「ケルバー(klber)」は、ドイツ語で「接着剤」を意味する Klber に由来する。シリーズ名「ケルバーダイン」と同源であり、名称の由来の詳細は ケルバーダイン の制作背景を参照。
作中でケルバーのサイズの由来として語られる「旧世紀のプラスチック製組み立て模型の人形のスケール」は現実のプラスチックモデルを指しており、1/35は実在するミリタリーモデルの標準スケールである。