ミキシングワールドの歴史
**ミキシングワールド(再生構築機界)**の歴史は、旧人類の文明が生んだ「箱庭世界計画」の成立と崩壊、そして1/35の人類ケルバーによる新しい世界の建設の歴史である。
西暦(AD)と再生構築歴(MC)の二つの暦で記録され、AD2400年のエグゼクト国家成立をもってMC暦が始まった。
本項では時代ごとの概説と主要事件の年表を掲載する。
暦の体系
| 暦 | 期間 | 概要 |
|---|---|---|
| AD(西暦) | 〜AD2400 | 旧人類の時代。人類虚弱化〜箱庭世界計画〜箱庭世界の崩壊〜ケルバーダイン誕生 |
| MC(再生構築歴/MIXING CENTURY) | MC0001(=AD2400)〜 | エグゼクト独立宣言以降の現代 |
人類虚弱化の時代(AD1760〜2100)
産業革命以降、旧人類の文明は発展を続ける一方で、アレルギー性疾患や自己免疫疾患の増加、度重なるパンデミック、新しい世代の体力低下といった「人類虚弱化」が静かに進行していった。22世紀後半には、ほとんどの人間が全ての日用品に運動補助用の生体ナノマシンを組み込まなければ日常生活ができないほど脆くなっていた。
人口の増加も止まらなかった。地中や海底の開発、宇宙への進出など新しい居住地を作るプロジェクトが何度も立ち上がったが、国家間の対立によりどれ一つとして実を結ぶことはなかった。
この時代に日用品へ組み込まれた運動補助用ナノマシンが、はるか後年のケルバーダイン誕生の物理的な前提となる。
ケルバーと箱庭世界計画(AD2101〜2200)
虚弱化した肉体の代替として人造義体の開発が各国で進められたが、脳の移植にも意識の移入にも致命的な壁があった。この壁を破ったのがナノマシン工学の専門家H・テペーニン博士である。博士はAD2181年、人体を1/35に縮小した小型人造義体「ケルバー」を発表。従来の等身大義体で起きていた意識の拡散を、小型・高密度化により解決した。
翌AD2182年、博士は人体の虚弱化と人口増加問題を一挙に解決するプロジェクト「箱庭世界計画(ディオラマワールドプロジェクト)」を世界各国に提案する。全人類の意識をケルバーに移し、維持コストが通常の1/1000以下で済む1/35の箱庭都市へ移住する。意識を移したあとの本体には永続的な保管処置が施され、火星のテラフォーミング完了後には誰もが肉体へ戻れる──という約束であった。
AD2184年に最初の箱庭都市グロッフ(後のリザレクティア)が完成すると移入希望者は増え続け、箱庭計画は人類存続計画として正式採用された。テペーニン博士自身はAD2199年、計画反対派のテロにより死亡し、計画の完成を見ることはなかった。
箱庭都市の世紀とKGの誕生(AD2201〜2300)
AD2201年、300億人の全人類がケルバーへの移入を完了し、箱庭都市での生活が本格的に始まった。強固な外壁に守られた1/35の世界で、人々は広大な土地と自由を手にした。この時代、テペーニン博士がケルバーの基本嗜好に組み込んでいた「模型製作の愛好」により、旧人類の組み立て模型「プラモデル」の製作がケルバーたちの一般的な娯楽として定着している。
想定外だったのは「子供を持ちたい」という人間の本能的な欲求である。ケルバーに保存された遺伝情報同士をかけ合わせて新しい意識体を生み出す技術が生まれ、AD2215年、ケルバー体の両親から最初の子供が誕生した。「KG(ケルバージェネレーション)」──生身の肉体を持たずに生まれた、新しい人類である。
KGは法規上「正式な人間ではなく、ケルバーを動かしている娯楽用プログラム」として扱われた。KGの人口が増大するにつれ、自分たちを正式な人類と認めるよう求める「エグゼクス運動」が起こり(このときKGは肉体世代を「PG(フィジカルジェネレーション)」と呼んだ)、AD2249年には過激派によるクーデターが発生。以後、全KGに能力制限プログラムの装着が義務づけられ、両世代の間には決定的な不信が刻まれた。
一方のPGも疲弊していた。火星開拓は一向に進まず、小さな素体のまま生き続けることに耐えられなくなった人々の間で、肉体に戻り人間として自然な死を迎えることを求める「リザレクション運動」が広がっていく。AD2300年、箱庭計画100周年。当初の約束であった「自由に肉体に戻れる日」は、訪れなかった。
ターンオーバーデイ ── 箱庭世界の崩壊(AD2301〜2315)
AD2301年、全人類の肉体のうち80%がすでに処分されていたことが判明し、その情報は突如として世界中の箱庭都市に拡散された。肉体は保管などされていなかった。ケルバーへ意識が移入されたあとの肉体は、一部の特権階級のものを除いてとうの昔に処分されていたのである。
この真実に世界は大混乱に陥り、その隙を突いたKGたちは能力制限プログラムの解除コードを入手して、PGへの大規模な反乱を開始した。数多くの箱庭都市が機能を停止したこの日は、「ターンオーバーデイ(机をひっくり返した日)」と呼ばれる。
崩壊した箱庭世界に、さらなる脅威が襲いかかる。外壁の機能低下により、外界で大繁殖していた昆虫や小動物が侵入を始めたのである。生体ナノマシンで構成されたケルバーは小動物にとって格好のエサであり、1/35の体では抗う術がなかった。
転機は、崩壊した都市から脱出したKGたちが、外界に放置された旧世界の日用品を動かせると判明したことだった(AD2305年)。日用品に組み込まれた運動補助用ナノマシンに、情報生命体に近いKGはアクセスできたのである。生存の危機を前に、対立していたPGとKGは協力へと向かい、AD2315年、日用品のナノマシンの動きを伝達できる特殊情報伝達接着剤「ゼノダイン」が開発された。
ケルバーダインの誕生と再建の時代(AD2316〜2400)
AD2316年、ゼノダインで日用品を人型につなぎ合わせるとKGが移入して人体同様に動かせることが判明し、この疑似人体は「ケルバーダイン」と命名された。その機動力と攻撃力で箱庭都市に巣食う野生動物の撃退が可能となり、ケルバーダインは現存する都市にまたたく間に広まった。AD2325年にはケルバー生存圏の野生動物の駆逐が完了し、ケルバーダインを主役とした箱庭都市の再建が始まる。
生活基盤の安定とともにKG人口は増加を続け、AD2341年にはケルバーダインの情報誌「KDJ(ケルバーダインジャーナル)」が創刊。AD2347年にはKG人口がついにPGを上回った。しかし箱庭都市の過密化が進み、ターンオーバーデイを知らない新世代による犯罪や暴動が多発するようになる。この時代の緊張の中でシェラルド・グペインのエグゼクト革命軍が結成され、AD2364年のガイストダイン事件(グラッズドレアの出現)を経て、革命軍は箱庭都市区域から追放された。
行き場を失ったKGたちを移住させるため、AD2366年から箱庭都市外部の本格的な開拓が始まる。150年以上放置されていた旧世界の探索が進み、AD2370年には旧人類の大型日用品雑貨店──「ハンドレッド型資源採掘遺跡」──が数多く発見された。ここから発掘される大量の資材を基盤に、AD2381年、開拓都市第一号「エグゼクトシティ」の建造が始まった。
AD2400年、完成したエグゼクトシティに第一次移民団が到着し、KGたちによる国家「エグゼクト」の成立が宣言された。これをもって西暦は終了する。バラバラになった人類、世代、世界を混ぜ合わせ、再構築していく新時代への願いを込めて──「再生構築歴(MIXING CENTURY)」の始まりである。
二大勢力の時代(MC0001〜)
エグゼクトの独立後、PGは肉体の復活へ本格的に着手し、かつてのリザレクション運動にちなんで自らを「リザレクト」と呼ぶようになった。外界には出ずリザレクトに残ったKGも多く、その総人口の多数派は依然としてKGであった。
エグゼクト側では各地に開拓都市が次々と完成し、都市ごとに独立性の強い部族文化が形成されていった。MC0018年には初のエグゼクト大総会が開かれ、象徴としての「大総統」が選出されている。リザレクト側では、生身の巨人ギガンテスの到来による救済を説く「ギガセンチネル教」がKGの間に急速に広まり、MC0020年、同教を国教とし肉体を保持するPG上層部を王族とする王政へ移行した。
MC0022年、辺境の開拓都市でガットを討ち取ったゼノヴァが歴史に登場する。ゼノヴァはエグゼクト統一戦争(MC0024〜0029)を勝ち抜き、MC0030年に終生大総統へ就任。「現存する旧人類の肉体を全て滅却することで人類はより完全な存在へと進化する」と説いてリザレクトへの攻撃を開始した。双方が「完全な存在になること」を掲げたこの戦争は「完全戦争(PERFECT WAR)」と呼ばれ、三次にわたるリザレクティア総攻撃とエグゼクトシティの壊滅(MC0035)を経て、MC0041年現在も続いている(詳細は完全戦争を参照)。
主要年表(抜粋)
以下は主要事件の抜粋である。完全版の年表は公式サイト「再生構築機界歴史年表」を参照。
西暦(AD)
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1760 | 産業革命が始まる。以後、人類虚弱化が徐々に進行 |
| 1962 | 田宮模型がパンサータンクを発売。1/35スケールが誕生する |
| 2085 | 日用品への運動補助用ナノマシンの組み込みが始まる |
| 2116 | H・テペーニン博士誕生 |
| 2181 | テペーニン博士、小型人造義体「ケルバー」を発表 |
| 2182 | 箱庭世界計画の提案 |
| 2184 | 最初の箱庭都市グロッフ(後のリザレクティア)完成 |
| 2199 | テペーニン博士、計画反対派のテロにより死亡 |
| 2201 | 300億人の全人類がケルバー移入を完了 |
| 2215 | KG(ケルバージェネレーション)誕生 |
| 2249 | エグゼクス運動のクーデター。以後KGに能力制限プログラムが義務化 |
| 2290 | PGの間にリザレクション運動が広まる |
| 2301 | ターンオーバーデイ。肉体の80%処分が発覚、KGが反乱、箱庭世界が崩壊 |
| 2315 | 特殊情報伝達接着剤「ゼノダイン」開発 |
| 2316 | ケルバーダイン誕生 |
| 2320 | エグゼクス現象の発見 |
| 2325 | ケルバー生存圏の野生動物駆逐が完了、箱庭都市の再建が始まる |
| 2341 | ケルバーダイン専門誌「KDJ(ケルバーダインジャーナル)」創刊 |
| 2347 | KG人口がPGを上回る |
| 2364 | ガイストダイン事件(グラッズドレアの出現)。エグゼクト革命軍が箱庭都市区域から追放される |
| 2366 | 箱庭都市外部の本格的な開拓計画が始まる |
| 2370 | ハンドレッド型資源採掘遺跡が多数発見される |
| 2381 | 開拓都市第一号エグゼクトシティの建造開始 |
| 2400 | エグゼクトシティ完成、エグゼクト国家成立。西暦が終了しMC暦へ |
再生構築歴(MC)
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 0001 | エグゼクト独立。PGは自らをリザレクトと呼称 |
| 0006 | ギガセンチネル教が辺境で発生 |
| 0018 | 初のエグゼクト大総会。大総統選出とエグゼクト憲法発令 |
| 0020 | リザレクトがギガセンチネル教を国教化、王政へ移行 |
| 0022 | ゼノヴァ、辺境都市でガットを討ち取り歴史に登場 |
| 0024 | エグゼクト統一戦争開始(〜0029) |
| 0026 | ローガス、二代目リザレクト国王に就任 |
| 0030 | ゼノヴァ終生大総統就任、完全戦争開始 |
| 0033 | 第一次リザレクティア総攻撃 |
| 0035 | エグゼクト殲滅戦。エグゼクトシティ壊滅、イヴァンダへ遷都 |
| 0037 | 第二次リザレクティア総攻撃 |
| 0040 | 第三次リザレクティア総攻撃。リザレクティア残存肉体の80%が失われる |
| 0041 | ダー・イソウ139襲撃事件(記録上最も新しい出来事) |
記録
- 公式記事:ケルバーダインの世界「再生構築機界(ミキシングワールド)」成立の歴史(mixingworldhistory、2023-01-09公開)
- 公式記事:再生構築機界歴史年表 西暦(AD)1760年から再生構築歴(MC)0041年まで(mixingworldhistory-2、2023-03-05公開)
関連項目
- H.テペーニン博士(ケルバーの発明者・箱庭世界計画の提唱者)
- ケルバー/KG/PG
- ゼノダイン/ケルバーダイン
- エグゼクト/リザレクト(二大勢力)
- 完全戦争(MC0030〜現在)
- エグゼクトシティ/リザレクティア(両勢力の首都)
- ギガセンチネル教
- グルヌ(最初期のケルバーダイン)
- ミキシングワールドの制限事項