ギチ(Gitch / 蟑吉)
ギチは、ミキシングワールドに生息する雑食性の大型昆虫であり、ケルバーを好んで食する天敵である。
旧人類が「ゴキブリ」「アブラムシ」「コックローチ」と呼んだ昆虫を起源とするが、現生のギチは旧人類の遺伝子操作により、当時よりはるかに凶悪で強靭な生物となっている。
名称は、ものを食べるときに発する「ギチギチギチッ!」という不快な音に由来する。

ギチを取り押さえるケルバーダイン(ギチに強い生理的嫌悪を抱くケルバーが多いため、動物誌のメインカットには視覚情報処理が施されている)
プロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 分類 | 雑食性の大型昆虫 |
| 起源 | 2億5000万年前からほとんど姿を変えない昆虫の遺伝子改変体 |
| 能力 | 平べったい体・高速飛行・「1匹見かけたら40匹いる」と言われる繁殖力 |
| 天敵 | ロデラ |
| 脅威対象 | ケルバー(ケルバーダインには危害を加えられない) |
特徴と習性
何処にでも潜り込める平べったい体、なんでも食べる強靭な食性、旺盛な繁殖力を持ち、大変おぞましい羽音をたてながら高速で飛行する。共食いの習性があり、弱った個体はすぐに他のギチに食われる。旧人類の遺跡に巣食うのは常である。
ギチはケルバーを好んで襲うが、ケルバーダインに危害を加えることはできない。いくらギチでも、ポリプロピレンやABSを食べることはできないからである。天敵は、ギチやザンティスなどの昆虫を捕食するロデラである。
歴史 ── 旧人類が生み出した災厄
ギチの原種は2億5000万年前からほとんど姿を変えておらず、誕生から200年足らずのケルバーの100万倍長い歴史を持つ。元々は熱帯〜温帯地方の森林を生息地としていたが、旧人類の都市部に適応し、害虫として世界中に定着した。
旧人類が食糧難に陥ったとき、タンパク質の補給源として昆虫食が注目され、繁殖力の強いこの昆虫が最優先候補に挙げられた。原種は寒冷地では活動できないという唯一の弱点を持っていた──旧人類の居住地から発掘される駆除用品に「凍結スプレー」が見られることが、その傍証である。だが旧人類は、目先の食糧問題解決のため、遺伝子操作により「寒さに強く、より何でも食べ、より繁殖する」という特性を与えてしまった。
改変されたギチは箱庭計画発動時のAD2200年前後にはすでに野外へ逃げ出し、自然種を駆逐しながら増殖していたことが研究により判明している。そしてAD2301年のターンオーバーデイで外部から箱庭都市になだれ込み、ケルバーを襲って多くの犠牲者を出した。
旧人類時代の文献には「我々人類が滅亡してもゴキブリは繁栄し続けるだろう」との記述が散見され、事実その通りになった。
現代のギチと駆除
現在、大都市部では徹底的な駆除が行われているため表向き姿は見られないが、駆除を中断するとすぐに増えるため、決して油断はできない。地方や再生区域外ではごく普通に生息しており、「本物のギチを一度も見たことが無い」という都市育ちの若いケルバーは、たまたま幸運であるだけである。
リザレクティアの最下層区域では、上層からの廃棄物をエサにギチが大量に繁殖しており、「ギチジェット」と呼ばれる駆除業者が日々駆除に従事している。駆除にはゲベル・ギチジェットのような専用のギチ駆除型ケルバーダインが用いられる。
一般ケルバーによるギチの飼育は、リザレクト・エグゼクト双方で禁止されている。飼育が認められるのは、ギチの最終的な絶滅を目標とする特別な免許を取得したケルバーが、研究目的で行うときのみである。
対処法
辺境区域への物資輸送などで実際にギチと遭遇することの多いバーリンド族のブロダグツは、動物誌の中で次の対処法を指南している。

機体に群がるギチ(対処法の実演)
- 前提として、ギチはケルバーダインにインして対処すること。生身で遭遇した場合は速やかに逃げること。
- 体にギチがまとわりついても、決して慌てないこと。精神的な恐怖感はミキシンクロレートを急上昇させるため、注意が必要である。

まとわりついた個体を踏み潰す
- 焼く、凍らせるなど様々な方法があるが、最も確実なのはギチの習性を利用する方法である。まず、まとわりついてきたギチを一体踏み潰す。

弱った個体に群がり、共食いを始めるギチ
- 踏み潰したギチを群れの中に投げつける。ギチには共食いの習性があり、弱った個体はすぐ他のギチに食われる。

ギチが共食いをしている間に距離を取る
- ギチが共食いをしている間に、速やかにその場から離れる。地域によってはギチは数百匹単位で現れることも珍しくなく、専用のギチ駆除型ケルバーダイン以外では物量負けするため、偶発的な遭遇では逃げることを最優先する。
文化への影響
- 速さの慣用句 ── 速さを至上の価値とするヴィス族は「〇〇より早い」を慣用句として多用し、「ギチより早い」は頻繁に使われる。一方で「ガットより早い」とは言わないのが謙虚さの表れとされる。
- 地獄のイメージ ── ギガセンチネル教の教義では、悪行を積んだ者は最後の審判後に「ポイポイ」に落とされ、ギチとなって永遠に共食いを続けるとされる。
- 箱庭都市伝説「ケルバーギチ由来説」 ── 「箱庭計画発動初期、ケルバーの素材である有機ナノマシンをギチから生成したタンパク質で製造していたため、ギチはケルバーを襲うのだ」とする都市伝説が、主に高齢のケルバーによって語られることがある。動物誌はこれを、高齢による記憶の混濁として明確に否定している。
- 死の比喩 ── 「ギチのエサになるのが遅いか、早いかだけの違い」といった言い回しに見られるように、ギチは死や脅威の比喩として日常語に頻出する。
記録
- 公式記事:BLOOD CLASH!! 真・再生構築機界動物誌「ギチ〜2億5000万年の驚異〜」(gichi、本項の主典拠)
- 公式記事:ミキシングワールドの宗教「ギガセンチネル教」(教義のギチ)
- バトルストーリー第1話「虫ケラ駆除」(グルヌ、ギチ駆除任務)
- バトルストーリー第7話「遅いか?早いか?だけの違い」(バリゴ、死の比喩)
- バトルストーリー第15話「正しいものが生き残る」(ゲベル・ギチジェット、リザレクティア最下層の駆除)
- バトルストーリー第25話「紫空の先へ」(ゼヴァント、遺跡に巣食うギチ)
関連項目
- ガット(生態系の頂点・速さの比較対象)
- ロデラ(天敵)/ザンティス
- グルヌ/ゲベル・ギチジェット(ギチ駆除にあたった機体)
- ギチジェットカラー(対ギチ特化の彩色)
- ターンオーバーデイ(箱庭都市への侵入)
- ミキシンクロレート(恐怖による急上昇)