ケルバーダイン オーヴォル(Ovol / 奥沃尔)

オーヴォルは、AD2341年にシェラルド・グペイン初めて再生構築したケルバーダインである。
地中の脅威マオルに対抗するモールタイプのプロトタイプ。初代テストパイロットは後にシェラルドのパートナーとなるラズ・グペイン
グペイン家三代(オルガ→シェラルド→グリト)の機体系譜の中核に位置する。

プロフィール

項目内容
分類モールタイプ プロトタイプ(対マオル用)
製造年AD2341
開発者シェラルド・グペイン
騎乗者ラズ・グペイン(初代)→ グリト・グペイン
主要武装OPCグラインダーアーム(右腕)/VHSグラインダー(左肩)/火炎放射器(左腕)
塗装ジャーマングレー+ホワイト迷彩
特徴継承ゼノアイ(母オルガの機体の排気管を流用)

概要

シェラルド・グペインがスフィアエッグに来た頃、街は地中から突然現れケルバーを引きずり込んで食らうマオルの被害に苦しんでいた。マオルの穴に巨大なグラインダーアームで衝撃波を打ち込み、地上からダメージを与え穴の外に引きずり出すことを目的とした、対マオル用「モールタイプ」のプロトタイプとして製作された機体。

シェラルドは「ケルバーダインを作るのは得意だったが、操るのは下手」で、自分ではオーヴォルを上手く動かせず、モールタイプを扱えるケルバーを探していた中でラズと出会ったことが、後のグペイン家系譜の起点となる。

本機の最重要点:ゼノアイの素体は母オルガ・グペイン(グロッフ防衛隊)のブリアード ガットスレイヤーの排気管を流用したもの。グロッフはオルガのブリアードを記念碑として展示しており、シェラルドは何度も交渉してようやく排気管だけを貰え、それを「無理やりゼノアイに装着した」。

モールタイプは物理的な破壊力が凄まじく、土木工事や対ケルバーダイン戦闘においても有用であるため、ミキシングワールドの開拓と共に広まり定番の機体となった。オーヴォル自体はプロトタイプのため知られておらず、強化型のグロッドが2360年代まで各地で多用されていたが、ガイストダイン事件から帰還したグリト・グペインが改良型を開拓都市建設用に量産したことで一気に広まった。

母子の対決(AD2364)

AD2364年、ガイストダイン化した母シェラルド(グラッズドレア)の前に、工房跡から引き出したオーヴォルに騎乗した息子グリトが立ちはだかった。バーリンドバリゴも援護に入る。

ずんぐりとした山のような姿に、巨大な右腕。

中心には爛々と開放型ゼノアイが輝き、私を射抜くように見つめ続けている。

「オーヴォル……!」

そんな、そんな、そんな。

オーヴォルは私が初めて再生構築したケルバーダインだ。
── バトルストーリー第9話「産むことしかできない」

揉み合いの中でシェラルドはオーヴォルに残る記憶と繋がり、忘れていた息子グリトを思い出す。崖から共に転落する中、シェラルドは最後に残された母としての力を使う。

私が母として最後にできること。

生むことだ。

(中略)

私は最低の母親だ。
子供をどう育てていいのかわからない。
どう向き合えばいいのかわからない。
産むぐらいしか、できることがない。
── バトルストーリー第9話「産むことしかできない」

シェラルドは取り込んだ情報を再構築してグリトの体を作り直し、オーヴォルのエジェクターから崖の上へと射出、バーリンドのバリゴがこれを受け止めた。シェラルド自身はオーヴォルと共にレジン川へと落ちていった。

本文の全文は公式サイトの原典記事に掲載されている(記事末尾の外部リンク参照)。

外観

全体シルエット

  • 重量級・ずんぐりとした山のような姿
  • 巨大な右腕(OPCグラインダーアーム、本機最大の特徴)
  • 左肩に大きな円盤状ノコギリ刃(VHSグラインダー)
  • 頭部に黄色いバイザー(メインカメラ/開放型ゼノアイ)
  • 中心に爛々と輝く赤い瞳
  • 二足歩行ふくらはぎ裏に車輪はない。遠目に車輪のように見えるパーツは左肩のVHSテープ巻き取り(円盤状)と足先(爪先)の丸み

塗装

  • 灰色(ジャーマングレー)を基調に白のドイツ風迷彩
  • クロー・関節は鉄色の金属表現
  • メインカメラはメタリックレッドの赤い瞳

構成素材

頭部

  • 使い捨てクシ(基部)
  • デザインナイフの替刃ケース(接着)
  • 100円ショップのペンケースに入っていたプラスチック製仕切り(両脇)
  • グリコアイス「パリッテ」のコーンを入れるカップ(頭頂部などの黒いパーツ)
  • 瞬間接着剤のフタ(メインカメラ)

左腕(火炎放射器)

  • 100円ライター(中核)
  • 歯ブラシ(挟み込み)
  • 植木鉢(肩)
  • 取っ手のような形のプラスチックパーツ+プルタブ(関節)

右腕(OPCグラインダーアーム)

  • プリンのカップ2個(基本ブロック)
  • 歯磨き粉「ガードハロー」のフタ(バーニア)
  • 洗濯バサミ・エポキシ系接着剤のフタ・ひげ剃りの替刃(関節デコレート)
  • コピー機のインクカートリッジのフタ(先端のICCクロー)

背部・肩付け根

  • VHSのテープ巻き取りパーツ(肩)
  • マックシェイクのフタ(四つ切りにして重ね)
  • 石(隙間埋め)
  • ガードハローのフタ(背面中央バーニア)

腰部

  • マウスの底パーツ
  • 植木鉢のカケラ
  • ヒゲソリの刃(デコレート)

脚部

  • VHSの外装(メイン、バラバラに分割)
  • 洗濯バサミ
  • ペットボトルのフタ
  • ブリスターパック

足首・つま先

  • マウスの外側パーツ(2分割、足首外装)
  • ブラシウォッシュ(つま先)

武装・装備

  • OPCグラインダーアーム(右腕の巨大グラインダー)
    • 本来は地中シールド工法的な掘削装備
    • 中心の ASN ブレイザー(ICCクロー周辺)から高圧ウォータージェットを噴出
    • 戦闘時はクローと振動で敵機を粉砕
  • ICCクロー(右腕先端、敵を粉砕する爪)
  • VHSグラインダー(左肩、円盤状)
    • 回転+微細振動で土砂を分子レベルに分解
    • 戦闘時はボディ全体に振動を拡散して実体弾を跳ね飛ばすバリアとして機能
  • 左腕火炎放射器
  • GHBバーニア(背部・右腕の高出力推進機)
  • FBWグラインダー(つま先、地面えぐり堀り、急斜面食い込み登攀)

再生構築機構・性能

継承ゼノアイ

  • メインカメラ=開放型ゼノアイの素体は母オルガのブリアード ガットスレイヤーの排気管
  • グロッフ展示記念碑から、シェラルドが何度も交渉してやっと貰い受けたものを「無理やりゼノアイに装着」
  • 機能:「どこまでも遠くまで見える」。グロッフからは反対方向のテペーニンリアルスケールモデル博物館まで視認可能
  • 完成したオーヴォルにシェラルドが初インした時、母オルガとエグゼクスして母の記憶が流れ込んできた:「これが、母になるということなのか?」
  • → グペイン家系譜の象徴的継承装置

モールタイプの特徴

  • 巨大グラインダーアームによる地中・地上両用攻撃
  • ナチュラルパーツが多い構造のため激しい動きで手足が千切れる懸念あり(ラズに「はしゃぐな」と注意された)
  • 機動力に欠けるため、作戦行動時は他のケルバーダインの支援が必須

来歴

  • AD2341:シェラルド・グペインが製作(初の再生構築)。テストパイロットのラズと出会い、後に人生のパートナーとなる
  • AD2351:プロージェ事件。工房が襲撃・放火され、ラズと長男エルクが死亡。グリトはこの日オーヴォルにこっそり乗ろうとしており、スフィアエッグを出る際にオーヴォルを工房地下に隠した
  • AD2364:グリトが工房地下からオーヴォルを引き出し、ガイストダイン化した母シェラルド(グラッズドレア)と対峙。戦いの末、シェラルドはグリトを「産む」ことで救出し、オーヴォルと共にレジン川へ落ちた
  • その後:ガイストダイン事件から帰還したグリトが改良型モールタイプを開拓都市建設用に量産し、モールタイプが再び広まった

ギャラリー

機体解説


マオル。地中から突然現れ、ケルバーを引きずり込んで捕食する


OPCグラインダーアーム。マオルの穴に振動を打ち込み地表へ追い出す


開放型ゼノアイ。素体は母オルガのブリアード ガットスレイヤーの排気管


オーヴォル全体像


オーヴォル背面より


オーヴォル設定画

記録

制作背景

  • 命名:ドイツ語「Maulwurf(マオルヴォルフ)」=モグラのもじり。「ドイツ語ならモグラもカッコいい!」が命名の弁。
  • 左肩のVHSテープ巻き取りパーツの配置:機動戦士ガンダムの作業用MS「アッグ」(ドリルで地面を掘り進む機体)を参考にしたもの。
  • 塗装:Mr.カラー ジャーマングレー下地にホワイトのドイツ風迷彩。タミヤエナメルのフラットブラック+フラットブラウンでウォッシング。金属部はスーパーアイアン→フラットブラックウォッシング。メインカメラの赤い瞳はウィノーブラック→スーパーファインシルバー→クリアーレッドのメタリックレッド。
  • OPCグラインダーアームのウォータージェット:実在のトンネル掘削技術「シールド工法」(シールドマシンの刃を冷却するために大量の水が必要)が理論的根拠になっている。

関連項目

外部リンク